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南の島のネコグチ Miss Kittenmouth Woke and Smelt the Clouds

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2012年 05月 18日

水の中でどれだけ叫んだって相手に声は届かない (シー・シェパード船長逮捕についてあれこれ考えた(2)

前回の続き。

水の中でどれだけ叫んだって相手に声は届かない (シー・シェパード船長逮捕についてあれこれ考えた(2)_f0235250_23345726.jpg



自分こそが正義だと信じて疑わない人間ほど、厄介なものはいない。

彼らにとって周りの人間は「敵」か「味方」か、そのどちらかの予備軍かだ。

幼少時代から、クジラやイルカは神秘的な生物だと意識を持って育てられた。

人間と意思疎通ができ、顔の表情は常に笑顔を絶やさない(ように見える)。
彼らは野生に暮らす(べき)生き物であり、未知なる母である海に棲むトクベツな動物なんだ。

「なにかが間違っていると思ったらハッキリ自分の意見を示しなさい」
「世の中にはたくさんの不正が存在するけど、それを変えることもできるんだよ」
「私たちの国は、社会の悪いところを変えようと立ち上がった人達のおかげで守られてきたんだ」
「動物だって生きたいと思うし、感情や痛みを感じるんだよ。彼らを食べることは友達を食べることと同じだ」


子供の頃からそう言われて育った。
自分もいつかヨノナカの悪いところを変えて、みんなが幸せになかよく公平に暮らせる世界をつくろうと決めていた。

だから本当にショックだった。

自分の知らないところで、自分にとって紛れも無い「悪」な事が平然と許されている世界の真実を知って。

これまでにも数えきれないほどの生き物が捕われ、惨殺に殺され、食べられている現実を見て。

しかもそれがまさか「タベモノ」と認識されるとは思ってもいなかった、子供の頃から憧れていた美しいあの哺乳類だったなんて。

イルカがもがきながらあげる水しぶきとモリを差す船乗り達を囲む海面が赤く染まっていく様子を凝視して信じられない思いだった。
ひどい、誰かこんな事やめさせて。
とにかくやめさせなきゃ、一刻でもはやく止めなきゃ。これは絶対やっちゃいけない事だ!

でも言葉が通じない、権力もない、今この瞬間こんなひどい事が起きているのに周りの人間はなんでこんなにも無関心なんだろう。
自分は「関係ない」なんて無視して生きる事はできない。
あんなに苦しい目にあっているのに、あまりにも非道い事なのに、どうやって別の方を向いていられよう。

でも、じゃぁ、どうしたら、どうすればっ、ああぁぁっっ!!!

焦りとフラストレーションばかり溜まっていく。
自分はこんなに無力じゃないはずだ。
社会がこんなに無関心なら、他の誰も変えることができないのなら、
自分で、自分たちで、どうにかするしかないんだ。
そして活動が生まれる。行動がはじまる。世論が動く。

そして彼らはテロリストと呼ばれる。




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画像:「海獣の子供」(ソースはここ)


海もまた未知の世界だ。

人間がいまだ95%以上も足を踏み入れていない“怪域”であり、
すぐ近くにあって宇宙ほど遠い存在、それが海。

その人間にとって恐るべき領域を主のごとく自由に漂い、生命をつなげる巨大で不思議な生物たち。

脅威として讃え、拝みながら、
一方で挑戦したくなる、聖域を犯してみたくなる。
己の力を証明してみたくなる。それが人間の抑え切れないエゴだ。


そのもう一方で、自分からかけ離れた存在を守ろうとする人間がいる。
あそこに苦しんでいる動物がいる。
人間の言葉で話すことができなくても、私には彼らが助けを求めているのが分かる。
罪のない動物をあんな風に殺すのはいけない事だ。悪だ、不正だ、やめるべきだ。
なんど言ってもそれが分からないのなら、聞いてくれないのなら、思い知らせてやる!

そして人と人とのエゴがぶつかり合う。
理解できない者同士のフラストレーションが摩擦し、爆発し、得られる物はいったいなんなのだろう。

なんのために、誰のために 
こんな争いを続けなきゃいけないんだろう。
本当に大切な物、譲れない物、それは一体ナニでナゼなんだろう。


人も海も、遠くから見てちょっと触ってみただけじゃ分かりきれない。

水の中でどんなに叫んだって、誰にも聞こえないよ。

相手の立場や気持ちを考えるのはもちろんだけど、でもそれよりもっと大事なことだってある。

そうやって人間たちがお互いを責め合って間にそびえたつ壁を高くしている間に

今日も何億という数の生物が「美味しい物をたくさん食べたい」という人間のエゴのために惨殺に殺されている。

「海の生態系バランスを守らなければ」という人間の独断で今日も地球の生態系にヒビが入る。
っていうかそんなもん、とっくの昔に壊れてるよ。
あっちが海のゴキブリならこっちはなんだね、病原体ウイルスかね。


フカヒレのために世界中でサメが釣り上げられ、ヒレを切れ落とされてからまた海に棄てられている。


たいした栄養も味もないこのぶよぶよした塊を食べる事でトクベツなニンゲンになれる気がする人達が需要を生み出すから、供給がつづく。

(コラーゲン食っても肌に影響は出ないって科学者も何度も言ってるでしょ?
サメのエキス飲んで美味しい?それであなたはキレイ?)


上2つの動画は日本を拠点にしているサメ保護団体、パンジアシード提供。

決して「仕様がない」事じゃない。

仕様はいくらだってあるさ、それを選ばない選択を知らないうちに選んでしまっただけ。

決して「いただきます」の6文字で片付くような問題じゃないんだ。

猫口、今回の逮捕の件でいっぱい考えました。
最初はシー・シェパードの過激な直接行動の取り方や、活動家達の信念や危険も怯まないその姿勢に惹かれていました。
今でもシー・シェパードのような団体は世の中に必要だと思っています。
でも、今回いろいろ動画など見て調べるうちに
シー・シェパードは素晴らしい理念と行動力を持ち合わせているのにちょっと残念な活動団体、という結論が出ました。

アナキストコミュニティにも似ているものはあるけど、これだけ個性が強くて信念もでかい人達が集まって活動すると、必ずほつれや粗が出てくる。一人の人間の勝手な行動で団体全体のイメージが打撃をくらう事だってしょっちゅう。

あたしが思うに、SSのグラスルーツ的なレベルでのマネジメントが生かされていない。
個人活動家、でしゃばりすぎる奴多い。
国際的団体を代表する人間としてそんな事言っていいのか、と耳を疑うせりふがいくつもあった。

そんなんで本当に何かが変わっているのかとマジでこいつらに問いたい。


これは一体...盗撮のつもりが、不思議な撮影会になっているような...
無言でお互いを睨みながらカメラを向け合う静かな闘いなんでしょうね。
「オレはお前を撮ってるオレを撮ってるお前を撮ってるぞゴルァ!(゚Д゚)」って?

しかももっとひどいのがあった...
もうマジ勘弁してください、この暇人たち。(ってあれ?あたし本当にSS応援してるんだよね?)


って...あのさ...さっきも言ったけど水の中で叫んでも、じゃなくてあんたら言葉明らかに通じてないのに何をそんなアツく語ってんの(ちなみにこれ、最低20分は続きます)

ただ罵ってるだけじゃん!
向こうが言葉分からないから反論できないの分かってて言いたい放題フラストレーションぶつけてるだけじゃん!

しかも何その上から目線の喋り方は!
もうだめだ、あまりにもイルカ漁のショックが大きすぎてこの人達を人間として見れなくなってんだな。
喋れば喋るだけストレスはたまっていくだろうに。

こらー通訳どこだ、出てこい!!! (゚Д゚)ゴルァ!!

いや本当、まじで。あたしシー・シェパードの通訳やりたいんですけど。
だって滞在中にちゃんと通訳いたらここまで好き勝手してないでしょ?それともやりたい放題?

あんた達は何を求めてそこにいるの?

世界を変えるためにまずしなきゃいけない事はなんなの?


本当にイルカやクジラを守りたいんだよね?
そうやって漁師を一人一人なじっていけば守れると思ってる?

力不足は辛いよ、悔しいよ。分かるよ。

でもだからって、人間同士で痛め合ってどうする?それでいつ心が動く?いつ世界が変わる?

水の中でどれだけ叫んだって相手に声は届かない (シー・シェパード船長逮捕についてあれこれ考えた(2)_f0235250_13182243.jpg

しつこいようだが、また「海獣の子供」。前のシェアハウスのそーくんから借りてハマりました。ここをクリックすると読めちゃったりして

by a_pipsqueak | 2012-05-18 00:21


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